【視聴版基本メソッド】
石阪式基本メソッド
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来月の中頃から、父の放射線治療が始まります。
25日間、毎日病院へ通うことになり、送り迎えは私の役目です。
片づけレッスンや打ち合わせ、原稿を書く時間。
これまで通りにはいかないこともあるので、仕事の段取りも少しずつ調整し始めました。
正直なところ、
「25日間かぁ。困ったなあ」
と思う気持ちもあります。
けれどその一方で、父と毎日顔を合わせることも、ちょっと面白いかも……?なんて、
不思議な感情も湧いてきています。
最近の父は、歩く姿もずいぶんゆっくりになりました。
以前よりも体が小さく見え、ヨタヨタと歩く後ろ姿を見ていると、なんともいえない気持ちになります。
子どもの頃の私にとって、父はとても怖い存在でした。
何か気に入らないことがあると、すぐに怒り、大きな声を出し、ときには暴力を振るうこともありました。
父の機嫌をうかがいながら過ごした記憶は、今も私の中に残っています。
けれど、今の父とバトルをすることは、もうありません。
病院の予定を確認し、持ち物を準備し、時間に遅れないように声をかける。
そんな自分を少し離れたところから眺めている私もいて、
「私は父の娘というより、まるで母親のようだなあ」
と思います。
人生というのは、変わり続けていくものなんですね。
過去にあったことが消えたわけではありません。
けれど、今では「まあ、もうどうでもいいかな」と思える気持ちのほうが、大きくなりました。
いつの頃からか、昔の嫌な出来事を何度も取り出して、眺め続けることが少なくなっていったのです。
どうして、あんなことをされたのだろう。
なぜ、もっと優しくしてくれなかったのだろう。
あのとき、言い返していたら何かが変わっただろうか。
そう考えても、過去は変わりませんものね。
考えれば考えるほど、苦しくなるのは、今の自分です。
私は、皆さんとの片づけを通して、そんな考え方が身についたのだと思います。
考えても答えの出ないことは、考え続けないほうがいい。
忘れたというよりも、もうそこに自分の時間を使わなくなった、というほうが近いのかもしれません。
片づけをしていると、私たちはたくさんのモノと向き合います。
高かったから。
まだ使えるから。
思い出があるから。
いつか必要になるかもしれないから。
そんな理由で、今は使っていないモノを手放せずにいることがあります。
けれど、モノを持ち続けるためには、置いておく場所も、管理する手間も必要です。
使ってはいないのに、心のどこかではずっと気になっている。
それもまた、ひとつの執着なのだと思います。
モノを手放すことは、そのモノを買った過去を否定することではありません。
そのときは必要だった。
大切にしていた時期もあった。
役目を果たしてくれた。
けれど、今の自分にはもう必要がない。
そう認めて、手から離す。
過去の嫌な記憶も、少し似ているのかもしれませんね。
なかったことにはできない。
無理に許すこともできない。
けれど、いつまでも心の一番いい場所に置いておく必要はない。
家の中でも、使いやすい一等地には、今の暮らしに必要なモノを置きます。
もう使わないモノがそこを占領していたら、今必要なモノを置けなくなってしまいます。
心の中も、きっと同じなんですね。
過去の怒りや悲しみに、これ以上、自分の大切な時間を渡さなくてもいい。
もし、私のように過去の親子関係にわだかまりがある方がいらしたら、
「過去に、これ以上自分の時間を渡さない」
そう思えるようになると、少しだけ心が楽になるかもしれません。
もちろん、親子関係も、抱えてきた出来事も、人それぞれ違います。
無理に忘れなくてもいい。
無理に許さなくてもいい。
ただ、今の自分の大切な時間を、これからどう使いたいのか。
そちらに目を向けられるようになったら、人生は少しずつ前へ進んでいくのかもしれません。
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