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片づけをしていると、ここは開けるのがちょっと億劫だなあと感じる場所はありませんか。
物置部屋。押入れの奥。クローゼットの上の段。
「とりあえず」と入れたまま、何年も経っているモノたち。
人は、向き合いたくないモノを、手の届かないところや、いつも目にしない場所に置きがちなんですよね。
辛かった仕事時代に使っていたモノ。
うまくいかなかった頃の自分を思い出させる書類や日記。
また、亡くなった家族のモノは、蓋を開けるだけでもしんどくなりますよね。
だから目に入らない場所へ押し込んでしまう
そんなモノがない人は、いないのではないでしょうか。
私は、たいていのモノは手放せるんですが、母が残した闘病日記だけはまだ持っています。
読むと辛くなるので、時々読むかといえば読みません。
それは、あえて仕事部屋の目につくところに置いています。
日記が目に入るたびに、私は今日も元気に仕事ができている、生活ができているそのことに気づかせてもらえるからです。
私は、人は誰しも、生まれてきて何か乗り越えなければいけない課題があるように感じています。
片づけを通して、多くの方と一緒にお家の中のモノと向き合わせていただいていると、何もかも順風満帆な人はいないのだと感じるんです。
そしてその課題は、時々「物質」として自分の手元にやってきて、部屋の中に残っていくんですよね。
それらのモノには、記憶や感情がくっついている。
物置部屋を開けるのが億劫なのは、モノが多いからではなく、そこにある感情と向き合うのがしんどいから。そう考えると、開けられない自分を責める必要はまったくないのだと分かります。
「片づけたいけれど、どこから手をつければいいのでしょうか」と
多くの方に聞かれますが、私がおすすめしたいのは、まず個人の枠を明確にすることです。
家族のモノと自分のモノ、みんなで使う共有品が混ざった場所ではなく、
「ここは私のスペース」という枠をはっきり決める。
そして、その枠の中に、自分が今大事にしたいことを優先して収納していきます。
すると自然と、自分が何を大事にしたいのかが、モノという形をして見えてくるんです。
「私はこんなに本を残したかったんだ」
「もう手に取っていない趣味の道具を、置いていたな」
頭で考えても分からなかった自分の優先順位が、目の前にモノとして並びます。
頭の中で同じことばかりぐるぐる考えてしまうとき、紙に書き出すと思考が整理される。「ジャーナリング」と呼ばれる方法がありますが、私は、片づけとは、モノを使ったジャーナリングだと思っています。
モノを一つひとつ手に取って、
「これは今の私に必要?」
「なぜ取ってあるのだろう?」と問いかけていく。それは、書き出す代わりに、モノを通して自分の心の中を整理していく作業そのものです。
だから、物置部屋の向き合いたくないモノたちを、責めなくていいのです。
「ああ、私はこれとまだ向き合えていなかったんだな」
そう気づくだけでも、整理はもう始まっているんです。
向き合いたくない辛い気持ちになるもの、しんどい気持ちが残るものは、手放すことで心は軽くなっていくでしょう。
私の母の日記は、私が母の年齢になったら手放そうかなと思っています。
それまでは、今日を元気に生きていることを教えてくれる、私の大切なお守りにしていこうと思います。
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